白球追いかけて
 そのときの気持ちはそのままでも、時は過ぎていく。ケメの足が動き出した。最初の一歩はゆったりとしたものだったが、動き出す電車のように、次第に加速してしていく。
 ケメに、なにも声をかけられなかった。
 気がつくと、夕日は落ち、ケメの姿はなかった。
 オレは一人ぼっちでたたずんでいた。
 公園で自転車を止めて、鉄棒をくるりと逆上がりする。夜の暗い景色が一回転した。
 今日は火曜日。気がつけば、試合まであと四日だった。
 そして、その四日間は、まとめて過ぎ去った気がした。
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