白球追いかけて
7
あれから、三年の月日が経つ。
少し蒸し暑さを感じさせる初夏の風を便りに、トウサ高校野球部グラウンドを訪れた。
「きぃ~ん」と白球がバットに当たって響く音とともに、球児たちがユニフォームを真っ黒にしてボールを追いかけていた。そのボールを遠くから目で追っていると、グラウンドの隅のほうに転がっていった。
トウサ高校のぶかぶかの野球帽をかぶった男の子を抱くケメがそこにいた。
少し蒸し暑さを感じさせる初夏の風を便りに、トウサ高校野球部グラウンドを訪れた。
「きぃ~ん」と白球がバットに当たって響く音とともに、球児たちがユニフォームを真っ黒にしてボールを追いかけていた。そのボールを遠くから目で追っていると、グラウンドの隅のほうに転がっていった。
トウサ高校のぶかぶかの野球帽をかぶった男の子を抱くケメがそこにいた。