【風の天使】
「あぁ、転入してきた一ノ瀬さん」

「……あそ」


夜鷹は興味無さそうに大きな欠伸をする

口に生えた鋭い犬歯が光って見えた


椎菜が見るかぎり一切王子様ぽくない

あえて言うと柩のほうが王子様に合っていると思う……ロン毛だけど



「ね、本当に王子様なの…?」

椎菜は隣にいた蘭に小さな声で耳打ちする

すると蘭は急に笑いだした


「だよね!蘭も初め疑ったよ!見えないよね」

「あんなのが王子様でいいの…?」


目付き悪いしピアスいっぱい刺さってるし……


「でも残念ながら本当に王子様なんだよねぇ…」

「嘘…ありえない!!」



「…お前さっきから聞こえてんだけど?」

「へ?」

椎菜は再び聞こえてきた低い蘭じゃない声に思わず後ろに振り向いた


「きゃっ!」

すぐ真後ろにいたのは誰でもない…「………不良王子」


椎菜が命名した“不良王子“に夜鷹は眉間にしわを寄せた


「変なあだ名付けてんじゃねぇよ」
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