あなたの隣
「幅?
どうしたんだよ」
誰…?
あんまり聞いたことのない声。
ゆっくり、後ろを振り返る。
「森本くん………?」
「何泣いてんだよ。
泣くなよな。
何があったか、知らねぇけど、大丈夫だから。
幅は、笑ってた方が、いいぞ」
私の崩れかけの心に染みる、優しい言葉。
甘えても、いいのかな……?
「森本ぐ~ん~!!」
私は、森本くんに、抱きついた。
「お、わぁ!!」
「ック…ヒック……ウッ…」

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