Four Cherry
だけど、私の考えは甘かったみたい。
学校に着くと「加藤 蒼伊、西藤 銀斗熱愛!?」のうわさが流れる。
兄も教室に休み時間にやってきて大騒ぎで・・・。
翼クンはいつものように女の子と居て、凛はそれをさらにちゃかす。
そーんな平凡な毎日が、ずーっと続くであろうと思った。
もうすぐ訪れる・・・激しい感情と恐ろしい悲劇など知る由もなく・・・。
時は過ぎて6月、私の心の変化が訪れつつあった。
それは・・・・「恋」というもの。
「坂城くぅーん遊ぼうよぉー。」
「きゃぁぁぁっ!坂城クンだぁーっ」
「あー翼ぁー。今日はお昼、一緒に食べるんだよねっ★」
廊下に出ると四方八方から聞こえる黄色い声。
翼クンは疲れる様子も無く、笑顔を振りまいている。
んー・・・・カッコイイ。
私が思うこともみんなと大して変わらないらしい。
日焼けしていない白くてきれいな肌、さらさらと風に揺れる黒髪、筋肉の程よく付いた腕と足、誰も文句なんて言えない男の子。
誰もが憧れるんだろうなぁー・・・。
「あ。蒼伊チャンッ!」
「つつつつつ・・翼クンっっ・・!?」
ひょっこりと顔を出す翼クン。
少し童顔だけど、身長だけは普通の男子並みにある。
私は彼をゆっくりと見上げた。
「なーにボーっとしてるの?」
「ええ・・っと・・・や・・別に・・・?」
「これから移動だよね?一緒に行こうよ!」
にっこりと笑う翼クン。やっぱ・・カッコイイ・・・。
「いいけど・・他の女の子はいいの?」
「あぁ。なんかファンクラブの集会があるってさ。」
ファンクラブの集会?
「だから・・ね?予鈴なっちゃう前に行こう」
「あ・・・うん・・・・。」
凛はもう先に行ってるらしく、私は翼クンと2人で移動教室になった。
・・・・のはいいんだけどさ。
スッゴイ周りの視線が・・・・・。
「何アレー、坂城クンと加藤サンが2人だけで歩いてるっ・・!」
「あー、なんかあの子・・つークンの幼馴染なんだってさ。」