Four Cherry
聞こえてくる・・・女の子からの悪口。
だけど翼クンは全然聞こえてないみたいで・・・。
「ね・・ねぇ翼クン。女の子といつも一緒に居て・・疲れないの?」
何か会話をしようと思ってとっさに出た言葉・・・ほ・・・本音が出た・・・。
女子の視線は睨みに変わった。
「えー?女の子と一緒に居て?」
そわそわし出す女子たち。
「楽しいよ?僕の話し相手になってくれるし。」
そして「はぁぁぁぁっ・・」という安堵の声が聞こえた。
「僕は好きだよ?女の子達と居る時間。」
「へぇー、そっかぁ。」
「へへ・・それと同じくらい、蒼伊チャンと居る時間も僕は好きだよ?」
かぁっ・・と体が熱くなる。
心臓が高鳴って・・・・どうにかなりそうっっ・・・・
「ああああ・・ありがと・・・。」
翼クンはきっと何の気持ちも無く言ったんだろうけど・・・なんだろ・・・。
私の心にはきゅぅぅって入ってきた言葉。
不思議な気持ちになるなぁ・・・。
そして移動したのは理科室。
今日は科学の実験だったっけな。
私の班は私、銀チャン、翼クン、白川(シラカワ)サン、安藤(アンドウ)サンの5人。
白川サンは翼クンファンクラブ館員で、安藤サンはなんと!銀チャン狙いっぽい。
さっきから2人ともお目当ての男子にベタベタ。
実験なんて進まないよぉ・・・。
今日の時間の実験はナントカっていう液とナントカっていう液を混ぜてー・・・って・・・・・聞いてませんでした。
「ねーぇつー様ッ。優衣(ユイ)この実験怖くてでーきーなぁい♪」
「えーっ!銀クン、留美(ルミ)もぉーっ。」
チラリと2人の席を見ると、翼クンは女の子に構ってるみたいだけど・・・銀チャンは無関心。なーんにも反応しない。
一体どこを見てるのかもわかんない。
「はぁー・・・」
誰にも聞こえない小さな声で私はため息を1つ。