Four Cherry

「てめ・・なんだよ。」

「えーっ?何って留美、銀クンにぎゅーってしてるのぉっ」


明らかにイライラしてる銀チャン。だけど安藤サンは構わない様子。

後ろからぎゅーって銀チャンに抱きつく。

そして・・・


「・・・いい加減にしろよ。ドブス。」

「るっ・・留美ぃ・・ドブスじゃないもん・・」

「あ?自分のこと【留美】とか読んでる時点でお前終わってるし。しかもお前、香水スゲェ臭いし。香水1本かぶってきた?」


冷笑して安藤サンを見る銀チャン。

安藤サンは顔を真っ赤にして彼を睨む。


「・・・さっきまでのベタベタはなんなんだよ気色悪ぃ。」

「西藤クンもそーんなに怒らないで。女の子とも仲良くしなきゃ。」


宥める翼クンだけど・・・聞く耳持たずの銀チャン。

唖然と見る私の顔を見て・・・


「行くぞ。バカ。」


腕を強引に引いて教室を出る。

ばばばばばばっ・・・バカってっ・・・!!!


「いたっ・・銀チャン痛いんだけどっ!」

「うっせ。ムシャクシャしてんだよ。」

「っ・・・!」


顔を見上げて分かった。

出会って少ししか経ってないけど、分かる。

銀チャンは今すごく怒っている。

顔には出してないようにしてるけど、そうとうキてることが分かる。


「ごめっ・・」

「・・・バカが謝るな。」


腕を引いて私の顔を見ない銀チャンは「お前は悪くない」って言ってるみたいで、なんだか安心した。

そしていつの間にか、私の腕を握っていた手はすこしだけ緩んでいた。


だけど・・・・


「待ちなさい西藤クン。今すぐ理科室に戻って。」


廊下で叫ぶ先生の声が聞こえた。

そうだよ・・・戻らなくちゃ、銀チャン。

私が少しだけ銀チャンを引っ張ると
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