Four Cherry
「お前も・・・また俺にあの女と一緒に居ろっていうのかよ。」

「違うっ・・!翼クンが1人になっちゃうし!安藤サンが嫌なら離れていればいいじゃん!」


グイッとまた腕を引くと、銀チャンは私についてくるように歩く。

せ・・・成功したっぽい?


「わーったよ。じゃ、俺お前の後ろに居るから。」

「えぇ・・!?後ろ!?」

「あの女来たら、お前盾にすっから。」


そういうともう銀チャンは反抗しない。私の腕をまた引いて理科室まで戻った。

安藤サンは・・・目標変更!で翼クンにベタベタ。


「・・あーんなことされたら暑くてたまんねーんだよ。」


いくらエアコン完備の学校でも暑いときは暑い。

理科室だったら火も使うし、極力エアコンは高めなんだよね。


「じゃ、行くぞ。」


「あ、西藤クン戻ってきたんだね。もしかして・・蒼伊チャンが説得したの?」


相変わらずにっこり笑顔の翼クンは私にもにっこり。

でもそんな笑顔で見つめられるとドキドキして・・・・・・・うきゃッ。


「えーっとねぇ・・」

「ちげーの。俺が勝手に戻ってきた。てか、実験しよーぜ。メンドイけど。」

「そうだね。白川サン、安藤サン、手伝ってね?」


私が「うん!」て言うのを遮られ、話はどんどん進んでく。

いーじゃん!私の手柄にしたってさー。


「えーでもぉ、留美も優衣っちもぉーマッチとか使えないしぃ。翼様も銀クンも火傷したら留美達が嫌だしぃ。」


クネクネしながら赤巻き髪を揺らす安藤サン。

そして・・・白川サンと安藤サンの視線が一気に私に向く。

そう・・・睨むように・・。

でもそれってさ、つまりは私は火傷していいから火ィ付けろよっ!て意味だよね?


「わ・・・私・・?」

「えーん?だってぇ2人ともマッチとかしたこと無いしぃ。公立からはるばる転校とかしてきちゃったんなら、ぶっちゃけ加藤サン庶民じゃぁん?だったらマッチくらい使ったことあるしぃ、使えるんじゃないかなぁ?ってぇー」


あー・・・喋り方がウザッたい。いちいち語尾をのばさないで欲しいな・・。


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