Four Cherry
「分かったよ。私がやる。」


そうしなきゃ埒が明かない。それもだし、私の成績にもかかわっちゃうことになる。

庶民だからね。


そうしてマッチを手にとって見るけどさ、私もあんまりやった経験無いのよ。

しかも何この実験。

マッチの火をろうそくにつける、とかじゃなくてマッチずっと持っとかなきゃじゃん!?

こんなの火傷間違いなしだし。

なんて思って周りを見るけど・・みんな見事に無傷というか・・・・・。

まぁ、やってるのはみんな男子だけど。


「・・仕方ないか。」


小さい声でつぶやいて、マッチの頭を箱に擦る。

そして炙る物体に近づけようとすると・・


「やっぱ優衣も火とか無理ぃー」


とか言いながら白川サンは持っている物体を遠ざける。

いやいやいやいや・・・ちょっと・・!!!

火傷しちゃうってば!!!


「・・っつ・・!」


私は我慢できなくなって火を手放す。

そしてビンの中に消えたマッチを入れた。


「・・ったぁ・・・」

「えぇー?優衣のせいですかぁ?加藤サンがちゃんとしないからじゃぁん。」


指を押さえる私を上から見下すように見る白川サン。

アンタのせいじゃなかったら誰のせい・・なんでしょうか?


「だいたいー、バチとかあたったんじゃないですかぁ?加藤サンの普段の行いとかぁ。」

「あーそぉだねぇ。だってなんか翼様の幼馴染気取って仲良くしてるしぃー?」


2人の、堂々たる悪口。

おいおい・・・って言っちゃうほどマヌケっていうか・・・。

まぁ、悪口だって気付いてない男子2人のことも言えないけど・・


「あら、加藤サン大丈夫?保健室で消毒してもらってらっしゃい?」


科学担当の先生がやってきて私の肩をたたく。

私は唇を少し噛んで、小さくうなずいた。

2人の女子から、「逃げんのかよ?」見たいな視線で見られてるのは分かるけど、逃げるわけでもないし。

私は保健室急いだ。
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