君にホームラン

「はい!一応けが人なんだから気をつけなきゃ」

松葉杖を拾ってくれた梨紗。

た…助かった


「サンキュー」


そう言って受け取り、足を支える


「病院ってつまんねえな」


俺が呟くと梨紗は笑った

「まぁね!けどね、いいとこあるんだよ!」


「いいとこ?」


「うん!案内してあげるよ!きっと気に入るよ」

病院にいいとこ…?

そんなんあるのか?


「梨紗ちゃーん!検査の時間よ」


後ろから看護婦さんの声がして、梨紗は振り返る

「はーい!あ、じゃあまたね、拓哉!」


「あ…ああ。また」


にっこり笑って手を振りながら戻っていく梨紗。
< 11 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop