君にホームラン
**梨紗side**
「拓哉ーー!」
勢いよく病室の扉をひらく。
いつも私がこうして開けると、拓哉ったら
ビクッてなるの!
「…えっ…?」
病室の中にいたのは
拓哉じゃなかった
男の人と…女の人?
「拓哉なら検査行ってる」
「あ…そうですか」
なんだ…いないのか。
「拓哉…のお見舞ですか?」
私がそう問いかけると
女の人が立ち上がった
「あ…はい!あの…あなたは?」
「私は…拓哉の友達!それじゃあね」
私はそそくさと病室を後にした