君にホームラン

「拓哉くん!」


看護婦さんが息を切らしてきた


「梨紗ちゃん見なかった?今日は一緒じゃなかったの?」


「あ、はい。あの…梨紗がどうかしたんですか?」


看護婦さんは息を整えた

「いないのよ…病室に。」


「え…?」


「だからあなたと一緒かと思って…じゃ、他探してみるわね」


病室を出て行こうとする看護婦さん

俺は無意識に声をだした

「あの…」


「ん?」


「俺も一緒に探します」

「あ、ありがとう。助かるわ」


そう言ってにっこり笑った看護婦さんは

慌ただしく駆けていった
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