君にホームラン

「野球頑張ってる?」


「頑張ってるよ」


そんな些細な会話でさえ、とても愛しい


「ねぇ…野球の練習…見に行っちゃいけないかなあ…」


「え…?」


「ダメかな」


悲しそうな声を出す梨紗に、俺は慌てて言った


「今度の日曜日、練習試合あるから来いよ!」


「ほんと!?いいの!?」

一気に明るい声になった梨紗に
思わず顔が微笑む


「いいよ。ホームラン、プレゼントしてやるから。期待しとけ」


「わーい!楽しみにしとく♪」


「病院はいいのか?」


「いいの!こんくらいワガママ言っても」


梨紗の声が少し曇ったように感じた


気のせいならいいけど。

それから電話をきり、
俺はガッツポーズをした
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