君にホームラン
「それは…」
俺は思わず下をむいた
「…練習いくぞ。」
敦士は後輩達を連れて練習に戻った
「拓哉、俺らも夏にかけてるから、こんな大事な時期に怪我したくない」
同級生部員もゾロゾロと普段の練習メニューを始めた
ただ理由を知っているかなとたけるだけは
その場から動かなかった
「拓哉…何からすればいいのか?」
たけるはメニューを見つめ、俺に問いかける
「え…」
「なにやってんだよ!勝ちたいんだろ?協力するぜ」
「たける…」
俺たちはそれから必死にメニューをこなした
敦士やみんなが見ている中で
俺たちはひたすらに。
この試合…
絶対勝ちたいんだ
絶対ホームラン撃ちたいんだ。
みんなにとってはたかが練習試合
でも、されど練習試合
俺にとってこの試合は
特別なんだよ…
梨紗のために勝つよ