君にホームラン

そんな中。
俺がいない所でこんな会話がされていた


「みんな、ちょっといい?」


「マネージャー?」


「拓哉君がね、あんなにこの練習試合にかけてる訳は…梨紗ちゃんって子のためなのよ。梨紗ちゃんは…病気で…体調も最近はあまり良くないみたいなの。だから…拓哉君は梨紗ちゃんにホームランをうって試合に勝つことで、辛い治療をしている梨紗ちゃんを、少しでも元気づけるために…」

「そうだったのか…」


こんな会話をしていたなんて、俺は知らなかった

あの時の俺は
お前のためにがむしゃらだった


お前のために
野球…してたんだ
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