青空





笑いがおさまったキミに手を引っ張られて本棚の間を抜ける。

古い本の匂いと、
キミに引かれる手。


照れ臭くて黙ってしまう。
規則的に並んだ机。

この辺りには誰もいない。
ボクの前を歩いていたキミが足を止め振り返る。


「怒った?」


首を傾けながら聞くキミ。
ただ首を横に振ることしかできないボク。



遠くから蝉の鳴き声がして、
夏だなぁ…


ただぼんやりとそんな事を考えていた。






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