月・影
丈はしばらく様子を見ると、すごい速さで走り始めた。




「おい!! いったいどうしたって言うんだよ。」




走っていた丈は高い丘のてっぺん辺りまで行くと、立ち止まった。



光は、やっとのことで丈に追いついた。




「いったい…どうしたっ―。」




光は丈が見てる方向を見ると言葉を失った。




そこには、黒いドラゴンが眠っていた。




「あれは……ドラゴンか?」




「あぁ、怪竜《かいりゅう》さ。でも、この世界のヴァンパイアが皆、人みたいな姿をしてるとは限らない。
大体、昼は外に出ないで休んでるんだが、たまに変化して外に出てくる。あれがそうさ。」




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