月・影
「逃がすかよ!!」




丈は背負っている棺桶からチェーンを伸ばした。




そのチェーンが少年の首に巻きつく。




丈は勢いよくそのチェーンを引っ張った。




すると、鈍い音と共にその少年の首が飛んでいった。




「お…おい!!」




光は慌てて、丈の下へと駆け寄った。




「ヴァンパイアの首は、それなりの値段で売れるんだ。俺はそれでこの世界での生計を立ててるんだ。」




丈は平然とそう言い、腰にぶら下げていた袋にその首を入れた。




「光、怪我は無いか?」




「あ…あぁ、とりあえずは。」
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