月・影
「そうなのか…。」




「まぁ、それに棺桶についているチェーンにも炎を宿すことは可能だ。難しいがな。」





「まぁ、長々と説明してても、面白くないだろう。まず、このリボルバーにコルロを込めてみろ。」





光はリボルバーを手に取った。





しかし、そのまま立ち尽くしてしまった。





「あ…あの、どうやってコルロをこめるんですか?」





「そうか……。それも、分からないんだったな。
まず、精神を統一して、手に集中する。そして、リボルバーの回転式弾倉を開き、そこに息を吹きつける。そして、あの的に向けて引き金を引く。」





光は言われた手順どおりにやってみた。




すると、大きな爆音と共に、その的が燃えた。




「お見事!!」




―さすが、灯我殿のご子息だ……。コルロの扱いは一級品だな。




「あとは、その要領で色んなものに点火すればいいだけだ。」




「は…はい。」




光は歯切れの悪い返事をした。
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