月・影
「なぁ、丈。俺、しばらくこの世界にいていいか?」




「まぁ、コルロも扱えるようになったらしいし、勝手にしな。」




そのときだった。





丈の雰囲気が変わった。





「いるのか? この近くに。」





「あぁ。」




丈はそう言うと、走り出した。




光もその後を追う。





「丈ってあんなに足速かったか?」




光は呟きながら、丈の後を必死に追いかけた。





丈は、岩の陰で止まっていた。





「いたか?」





「あぁ。今度のも変化したやがる。」





そこにいたのは、羊飼いと羊だった。
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