月・影
「今回は、手強いな。」




「どうしてだ? この前の竜よりはいいだろ?」




「いや……。お前、あの中から、どれがヴァンパイアか見抜けるか?」




「……お前は、分かるのか?」




「残念だが、分からない。」




丈はそう言うと、岩陰から出て、羊飼いに話しかけようとした。




すると、その羊飼いと羊が一斉に攻撃を仕掛けてきた。




丈は間一髪でそれを避けた。




そして、その羊飼いと羊は今度は黒い竜へと変化した。




「丈!!」




光が飛び出す。




「俺達二人とも、勘違いしてたみたいだな。」





「あぁ。ヴァンパイアが一人とは限らねぇよな。確かに。」
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