月・影

『地球』

 地球に戻ってきた光はまた退屈な夏休みを送っていた。




光が家でだらだらしていると、インターホンが鳴った。



「新聞ならいりませんよ。」



光がそう言いながら、ドアを開けた。




「何だ、蓮か。どうした?」




そこには、クラスメイトの麻美《あさみ》 蓮《れん》が立っていた。




「いや、えっと……明日の花火大会、一緒に行こうかなと思って……。」




「別に、予定入ってないから、構わないけど?」




「じゃあ、明日の夜八時に、駅前で集合ね。」




蓮はそう言って、走り去っていった。




「あ~あ。もう花火大会の時期か~……。なんか、早ェな~。」
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