月・影
そして、夜になり、花火大会に行くことになっている光は、待ち合わせの駅に行った。




「七時五十分か…。まぁ、一応間に合ったか…。」




それから、十分後。




蓮が、走ってきた。




「間に合った?」




「あぁ、八時ちょうど。」




蓮は息切れしていたが、光は構わずに花火大会のある川の方へ歩き始めた。




「ちょっと、待ってよ。」




「あぁ、悪い。ちょっと考え事―。」




そのときだった。




川の方から、何かが爆発したような、大きな音がした。




「まさか……。」




光は、川の方向へ走り出そうとした。
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