月・影
「う…うん。」




蓮は静かに返事をした。




「じゃあ、光。決着つけるまでこっちには戻って来ない。覚悟しろよ。」




「…あぁ。分かってる。」




光は雪兎のことを思い浮かべていた。




「丈。もし、ヴァンパイアじゃなくても、敵なら殺さないとダメか?」




光には躊躇いの表情が伺えた。




「どうした? 光。怖いのか?」




「べ…別に怖いわけじぁ―。」




「じゃあ、どうしたんだ? 半端な覚悟ならやめた方がいい。」




厳しくそう言う丈に対して、光はただ頷いた。
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