月・影
「すまないね。大丈夫。ここは、『月の世界』。
僕が君に来てほしかったところだ。着いてきてくれ。」




雪兎はそう言って歩き出した。光はそれに慌てて着いてく。




「なぁ、雪兎。俺にしかできないことって何だ?」




「着いてくれば分かるよ。」




雪兎はそれからしばらく歩き続けた。




そして、二時間ほど歩いた後、雪兎は立ち止まった。




「ここでいいだろう。」




雪兎はそう言うと、光のほうに向き直った。




「何がだ?」




光はそう聞いたが、雪兎は黙って微笑んでいる。
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