月・影
「君は…ここで死ぬんだ。」




光は逃げ出そうとした。




しかし、その足が地面に張り付いたように動かなくなった。




「俺にしかできないことって……まさか……。」




「そう。君は生贄になるんだ。伝説の九尾狐《きゅうびこ》の復活のためにね。」




雪兎の顔から微笑みが消えた。




そして、光に襲い掛かる。





―ヤバイ……。俺…死んだ。




光は目を瞑る。




しかし、何も起こらなかった。




「な…何が起きたんだ。」




光は恐る恐る目を開いた。

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