トナリの王子サマ
「もーえっ!」


声が聞こえて、後ろから陽が抱きついてきた。

「うひゃっ?!」

「変な声、一緒にかえろーぜ?」

「え?」

「今、成瀬に振られたじゃん♪いいだろ?」



…そうだよね。

成瀬くんには断られたもん!

陽はどうせ、家に来るし…



「いーよっ!帰ろう!」



私が決断すると、陽は私の手を引いて廊下を走り出した。

後ろから成瀬くんの呼ぶ声を無視して―



―あっという間に家に!

「おじゃましま~す」

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