トナリの王子サマ
「?」

「勝ち目はない。成瀬と幸せに…」



陽の背中は何故かぼやけて見えない。

私は力なく道に膝をつく。



…私、陽に告白された。

そして、陽を苦しめていたのは…私。




「ふっ…ふぇっ」


静かな夜、私の鳴き声が響く。

その背後で、気配がした。



立ち上がって振り向くと…



「なっ、成瀬くん…?」

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