トナリの王子サマ
「はぁっ?!お前それで付き合うの?バッカじゃねーの?」

「バカじゃないもんっ!」



私は陽をにらみつけた。

何なのさ!毎回毎回…私の恋路を邪魔しないでよっ!!


「でも、萌愛。気をつけなよ?」

「え?」

「アイツ、手が早いって有名だから」

「手が早い…?」


手が早いって何?

足が速いと似てて…手がこう、シュッ!!て素早く出せるとか?



「…意味わかんないんだったら、そのままでいいわよ」

「でも、知りた「萌愛ー」


へっ?萌愛?

男の子の声で萌愛って呼ぶのは、陽ぐらいなのに…


視線を動かした先には、倉科くん。

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