トナリの王子サマ
チャイムが鳴り、扉を開けると…

「も~えちゃん♪」

「あっ、東さん!」


姿を見せたのは、成瀬くんのお兄さんの東さん。

手にはおいしそうな匂いのカレーが…



「あれ?もしかして萌愛ちゃん家もカレー?」

「なんか、お母さんが作っておいてくれたみたいです」


ちょっと悪そうに言うと、東さんは笑って。

「じゃあ、仕方ないね」


そう言って家に戻ろうとした。

その背中が陽に似ていて―


「えっ…?」

東さんの、洋服を思いっきり引っ張ってしまった。

「えっ?あっ!ごめんなさい!」

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