トナリの王子サマ
彼が喋り始めた瞬間―

「陽っ!絶対来ないでぇっ!!」


叫んだ。一稀は一度びっくりしたらしく、私の方を振り返った。

そして、言った。



「早くしないと、お前の大事な人、食っちゃうぞ?」



切り終わると、深いため息をつきながら私を見た。

「ったく、余計なこといいやがって…」

私の元へとじりじり歩み寄ってきた。

恐怖で声が出ない。



「さて、タイムリミットが近づくね?」

時計を見ると、あと10分ほどで下校時刻。

どうしよう…みんないなくなっちゃう!!


「タイムリミット来たら、ゲーム終了。君は…クス」

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