トナリの王子サマ
―放課後

昇降口のトコで待ち合わせをすることにしたので、成瀬くんを待っていると…


「陽!」

陽が一人で歩いてきた。

チャンス!これは仲直りしなければ!


「陽、あのね?話が…」

「ごめん萌愛、急いでる」

「あっ…」


陽は急ぎ足で帰ってしまった。

しゅんと落ち込んでいると、


「仲直りしたいわけ?」


お似合いな黒縁メガネをくいっと持ち上げながら、成瀬くんは背後から現れた。


「成瀬くん!なんで喧嘩したってわかるの?」

「見れば一発だけど?」

「うぅ~」

「それより」

「ん?」
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