トナリの王子サマ
「…っ///とっ、隣だからだよっ!」


言い放つと、何故か早足になる成瀬くん。

歩くのが遅い私はついていけなくて、どんどん距離が離れていく。



「ななななな成瀬くんっ!待っ…ンキャ!」


どてんっと段差に躓いて転んでしまった。

足からは微かに血が滲んでいる。


前を見ると、成瀬くんの姿は跡形もなく消えていた。

…早い。



「痛あ~い」


血が出ている足を、近所の公園の水道で洗い流す。

そして、持っていた絆創膏を貼る。


これで、大丈夫。

よし、歩こう。

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