トナリの王子サマ
でも、いきなり手を引っ張られたものだから。足が変にもつれて…


「痛っ!!」


いかにも痛いですって声を出してしまった。

その瞬間、彼の顔が曇ったのがわかった。


階段に座らされて、足を掴まれる。

そして、靴下を脱がされ足首があらわになる。


私の足首は、大きく腫れていた。


「…これ、今のじゃねーよな?」

「はぃ」

「いつから?」

「成瀬くんと離れた時に、転んで…」


そして、私の膝の絆創膏にも気づいた。

「これも?」

私はうなずく。彼は大きくため息をついた。

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