トナリの王子サマ
バチンッッッ!!!!!!!!
自分でもできたことに驚き。
彼の頬を思いっきりたたいた。
彼は驚いた表情もせず、その場を去って行った。
私は成瀬くんの元へと駆け寄る。
放課後ということもあってか、この現場を目撃した人はいないみたい。
でも、顔の腫れ方などから予想はついてしまうだろう。
「成瀬くん、大丈夫?」
手を伸ばすと、成瀬くんは私の手をはねのけた。
―えっ?
「ごめん、一人にして」
そう言って彼は去って行った。
…成瀬くん?どうしたの?
私は彼を走って追いかけた。