トナリの王子サマ
―おいしいおかゆも食べ終わったので、少し楽になったころ…


「じゃあ、薬飲めよ」

「えっ?!」

「何、その嫌そうな顔」

「嫌だ」


私は思いっきり否定した。

だって、今薬なんて飲んじゃったら、せっかくの成瀬くん特製おかゆの味が…



「飲めよ」

「いや」

「飲めっつんてんだろ」

「…」


成瀬くんはコップと薬を両手に持って、近寄ってくる。

私は毛布を頭からかぶり、抵抗をした。


すると、成瀬くんのため息が聞こえた。

諦めてくれたかも―!!

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