誘拐 ―おまえに決めた―
「クルマを自殺に見せかけるのは難しい。
だから、トイチも結局逃げなければいけない。俺も仲間にしてくれよ。いや、仲間はいらないだろう。舎弟でどうですか。
この通り、俺結構使えるぞ? お願いします」
トイチは顎に手を当て悩んでいる。
「そうだな。おまえは使えそうだし」
観念したように、リクは両手をあげた。
合図、だ。
私は、数を数える。一つ一つ、丁寧に。
いち、
に、
さん、
し、