誘拐 ―おまえに決めた―

視線を落として札束を2人で見つめる。



私は何も言えない。

何を言ったらいいのか分からない。






正しい答えは分かっている。




だけど、何だか今はそれを言うべきじゃない気がしたから。



だから私は無言で俯いたリクの手を取った。

ただそれだけ。

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