誘拐 ―おまえに決めた―

リクはポケットからナイフを出す。

私の首に左腕を絡ませ、右手にナイフを持ち私の首にあてた。



そう、まさに人質。そんな体勢。




トイチは不思議な顔をしてこちらを見ながら言う。


「おいおい、リク。何のつもりだ。俺はその女にもう用はない」

「どうかな」


リクは不敵に答える。





どういうこと?

リク。

リク。


やっぱり・・・・・・。

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