誘拐 ―おまえに決めた―
13章 リクの独白
明るい。
まぶしい。
久しぶりの日の光は、私の目を極度に痛めつける。
「目が覚めた?」
リクは私の手を握っている。
「う、うん」
「本当によかった。気がついて」
満面の笑みでリクは私を見つめている。
流れ着いたある海岸。
途中で気を失った私を背負いながら泳ぎ、ここまでたどり着いたらしい。
近くに港があるから、とリクはそこまで歩くことを提案した。