誘拐 ―おまえに決めた―

「神や仏なんてものはさ、自分が信じてるものそれなんじゃないの?」



そういえば、私もここに来る時謎に神頼みしてた。

助かりたいという気持ち、それを信じる気持ち。



「俺は神も仏も信じちゃいないけどね」

「まー、私もだけど」



「でも」

リクがゆっくり口を開く。



「マイが助けてほしいと何かに願う時、その対象が俺になるくらい信じられたい」

恥ずかしいことをあっさり言う。



「え?」


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