誘拐 ―おまえに決めた―

まずは、左足。


リクは右手で、私の左足のふくらはぎを掴む。


暑いせいなのか、リクの手も少し汗ばんでいた。




右足。

手にしていた左足を、木の台に置く。



同じように脱がされた靴は、もう一方の靴と大人しく並んでいた。



「靴、泥だらけになっちゃったね」


リクが私の靴の泥を払う。


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