誘拐 ―おまえに決めた―
2章 金髪の男
夏は暑くて、太陽がキラキラしてる。
セミの音がうるさくて、何だか寝苦しい。
まだ寝ていたいけれど、何だか背中も痛い。
しかも床が揺れている。
これは夢か。
私、寝てるんだ。
「ああ、銀行に行かなきゃいけなかったんだ。」
思い出す。
記憶が交差する。
お金をおろして、私は逃げる。
何がなんだかわからなくなってきた。
私はどうするんだっけ?
もうこのままでいい。
この手は暖かい。