星のラブレター



「知佳ちゃん、どこ行くの?」


真剣な顔のお兄さん。
さっきの話しからして
翔の所なんだけどな……


「マジで翔と海行くの?
 行かないでよ、知佳ちゃん」

「そ、そうやって
 甘い言葉言っても
 あたしは他の人みたいに落ちません」




あたしはお兄さんの手を振り払い、
呆然とするお兄さんを残して
部屋へ走った。





な、なんであんなこと…


《―――行かないでよ》

なんて言うの…


お兄さんの言い慣れた、
甘い言葉だとわかっているのに
言われた時、
どきっとしてしまった。

翔が好きなのに
お兄さんに行きそうになる自分が怖い‥


             
< 34 / 47 >

この作品をシェア

pagetop