星のラブレター
「知佳ちゃん、どこ行くの?」
真剣な顔のお兄さん。
さっきの話しからして
翔の所なんだけどな……
「マジで翔と海行くの?
行かないでよ、知佳ちゃん」
「そ、そうやって
甘い言葉言っても
あたしは他の人みたいに落ちません」
あたしはお兄さんの手を振り払い、
呆然とするお兄さんを残して
部屋へ走った。
な、なんであんなこと…
《―――行かないでよ》
なんて言うの…
お兄さんの言い慣れた、
甘い言葉だとわかっているのに
言われた時、
どきっとしてしまった。
翔が好きなのに
お兄さんに行きそうになる自分が怖い‥