ひまわり
思わず立ち尽くす私。


東京ではこんなたくさんのひまわりを見たことがなかった。


そんな私の考えを見透かすかのように蛍は


『東京でこんなにたくさんのひまわり見たことないでしょ』と言って嬉しそうな笑顔を私に向けた。


思わず私もその笑顔につられて笑っていた。


…なんていいところなんだろう…


昼間にはどうしようもなく最悪な田舎が夜には居心地のいい場所になっていた。

『…じゃあ行こっか』


蛍の陽気な声によって私は感慨に更けるのをやめて、蛍の家へと足を踏み出した。


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