狼クン達のオリの中②【完】
「あんたさ。
中途半端な気持ちで。
彼女づら・・・しないでよね?」




その低い声で我にかえると。



美咲ちゃんが、敵意の満ちた目をあたしに向けていた。




「もう一度、言う。
中途半端な気持ちで。
彼女づらしないでよね?」
涼から、あんたとのことは、聞いてるし」



「え?」



「だから、中途半端な気持ちなら。
もう、涼に近づくなって言ってるの」



「え・・・?
それ・・・どういう・・・」



あたしが首をかしげると。


美咲ちゃんは苛立ちながらドアを指で叩き。



「ねぇ、わかる?
あたしが、涼の部屋に入るのに、どれだけ苦労したか。
何回誘っても滅多に会ってくれない涼に、何度も連絡して。
おまけに、部屋に入るために、具合の悪いフリまでして」

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