狼クン達のオリの中②【完】
『そんなの、このオレが不便すぎる』
・・・って。
・・・こいつ。
どこまで行っても、綾瀬涼だな。
綾瀬涼にわからないように苦笑するあたしに、
「由梨、聞いてるのか?」
綾瀬涼はあごを突き出し、切れ長の綺麗な目を生意気そうに半開きにし、
「ありがたく思えって話だよ。
これをおまえにやる。
このオレが、電話してやるから、必ず出ろよ?」
これでもか!っていうほどのオレ様っぷりを発揮して、アメリカに旅立った。