JKママ
「みこと、しょぼいプレーお疲れ様ー」

「海斗、みことだって才能無いなりに頑張ってるんだぜ、猿山の大将をなめてはいけねぇよー。」


バスケの試合の帰り道。
試合の応援に来ていた双子の弟、海斗と陽斗が憎たらしげな顔で言った。同じ顔で憎たらしいと、苛立ちも2倍、4倍になる。




「海斗くーん、陽斗くーん、ねえちゃん頑張ったのに、それは酷いんじゃないかなー?。ていうか、猿山の大将?
馬鹿にしてるのかなー。」



ふたつの頭を手の骨ばった関節の堅い部分ではさみ込む。




「い、ってーー!!やめろよ!!」

「庇ってやっただろうがぁああ!!」

「庇ってなかっただろうがあぁあ!!」



ぐりぐりから逃れようと必死にもがく弟をしつこく追い回していると、後ろから、チョップをされた。


「詔うるせぇ。」

あたしに重たいチョップを見舞ったのは兄の詩音だった。
だるそうな眼は眠気を誘う。




「だって!!あいつらがあ……」

「うるさい。」


一方的に跳ねのけられてしまった。



「へ、みことめ、ザマアねぇな。」

「単細胞が、恩知らず」



にししっと子供らしい笑みを浮かべるふたりをねめつけた。



「覚えてろよ!!絶対に仕返ししてやるからな!!」



最後に捨て台詞を吐かなくてはいけないのは結局あたしだ。
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