天国への階段 ―いじめ―
放課後、私は学校の一番はじにある、屋上へ続く階段のところへ行った。
今日から始める。
初日はまだ、一番下。地面だ。
天国まであと百段。
百日たつ前に、私は天国に辿り着くだろう。
一日にたくさん嫌なことが起こる。一日五個と換算すれば、天国まであと二十日だ。まだ、耐えられる。
今日あったことを思い出す。
麗子たちにノートや教科書を捨てられた。
クラス全員からの無視は当たり前。
男子からはゴキブリ女と呼ばれる。
生物の先生に、「斉藤はゴキブリが好きだって聞いているぞ。悪趣味だな」と笑われた。
天国まであと百段。
この階段を上りきれば、私はこの世界から解放される。