天国への階段 ―いじめ―
 




だけど、私自身も何度も自分以下を求めてきた。



小学校で、クラスの中心的存在だった頃、地味でいつもおどおどしている子を弾いていたし、周りのみんなが自分より下だと思っていた。



自分は、
この人よりはできることが多い。

運動も私の方が得意だし、
勉強もできる。

この人よりは細い。

この人よりは、まだ可愛いほう。

この人よりは優れている。



そういう風に自分勝手に他人と比べて、自分のが上だという優越感を得て、そうしてやっぱり、安心感を得ていたんだと思う。


いざ、自分がいじめられる立場になっても、なお、自分より劣る人を探した。
自分よりかわいそうな人は、どこかにいるはず。


私はそんなにひどくない。
私はそんなにかわいそうじゃない。
私は、ちがう。そんなんじゃない。


そうやって、自分を守るのに必死だった。
かわいそうなプライドが、私を締め付けていた。



< 129 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop